記事のサマリー(TL;DR)
- RubyKajaが2014年以来約12年ぶりに復活。各地域コミュニティから推薦されたRubyistを称える式典を45分枠で実施
- セッションは東軍・西軍に分かれた「先鋒〜大将」形式。型・PicoRuby・Jobシステムなど技術的に対立軸が立つテーマを対決配置
- 合戦(屋外アクティビティ)・懇親会(酒宴)・前夜祭・翌日観光ツアーと、地域カンファレンス版「戦国体験パッケージ」として設計
Rubyコミュニティ運営者・Rails開発者が注目すべき地域カンファレンスの設計思想
関ケ原Ruby会議01は、Ruby on RailsやPicoRubyを題材に取り上げる純粋な技術カンファレンスでありながら、RubyKajaによる「日常的なコミュニティ貢献者の可視化」という仕組みを組み合わせた構成が特徴的です。日本のSaaS・EC開発現場では、RubyやRailsを使い続けているエンジニアチームが多く、地域コミュニティを通じた採用・技術交流は実際の組織力に直結します。「毎月会場を確保する人」「初参加者に声をかける人」といった非コード的な貢献者を表彰する仕組みは、エンジニア組織の心理的安全性やリテンションを考える上でも示唆があります。Shopify Plus開発やkintone拡張など、Rubyを実務で使うチームにとって、こうした地域コミュニティとの接点は継続的なインプットの場になります。チケットは「大名」「家臣(兵糧付き)」の2種類で、東京から約3時間・大阪から約2時間のアクセスも現実的です。
詳細
RubyKajaの復活
RubyKajaは、各地域のRubyコミュニティで活動するRubyistをコミュニティから推薦し、みんなで称える取り組みです。もともとは2012年3月10日のYokohama.rb #18でnagachikaさんが提案した「Rubyist Awards」が起源で、「Kaja(冠者)」は能・狂言の「太郎冠者」に由来し、若手筆頭・新進気鋭という意味を持ちます。
最後の開催はRubyKaja 2014で、今回が約12年ぶりの復活となります。実行委員のわいだーさんは「コロナ禍を経て地域Rubyコミュニティの活動が再び活発になってきた。新たに地域.rbや地域Ruby会議をオーガナイズする人も増えており、このタイミングで復活させたかった」と語ります。
当日の45分枠では、まずRubyKajaの趣旨説明と各地域コミュニティからのノミネート者紹介を行い、その中から選定された5名に特別賞として受賞の証となる品を贈呈。受賞者には約3分のプレゼンテーションの場も設けられます。
「ノミネートされた人を称えるだけでなく、参加者それぞれが自分の近くにいるRubyistへの感謝に気づける場になるのがいい」(なっちゃんさん)
東軍・西軍に分かれたトークセッション
セッションは合戦の番立てに倣い「先鋒〜大将」の5段階に編成。東西で意図的に対立軸を持つテーマが並べられています。
| 番 | 西軍 | 東軍 |
|---|---|---|
| 先鋒 | 拙者、『型は欲しいが型は書きたくない』者たちとの和睦を結び…(型を書かずに型の恩恵を得る話) | Sorbetの型がRailsのMVC全てを貫通するまで(kazzix14) |
| 次鋒 | Termfront: Ruby標準ライブラリだけで作るFPS(S.H.) | 気づいたらRubyで100作品 ── クリエイティブコーディングが生活の一部になるまで(chobishiba) |
| 中堅 | New “Type” system on PicoRuby(Masataka Pocke Kuwabara) | Play Music on Ruby ── PicoRubyで作るMIDIオーケストレーションツール(Toshio Maki) |
| 副将 | PicoRubyに於けるRefinementsの再解釈(hasumikin) | Job戦国時代(kinoppyd) |
| 大将 | 前田修吾さん | 笹田耕一さん |
先鋒は「型を積極的に通す」vs「型は欲しいが書きたくない」という対照的なスタンス。次鋒はRubyでの制作表現の多様性。中堅はPicoRubyをめぐる2つの異なるアプローチ。副将はJobシステムやRefinementsという、Rubyistの間でも見解が分かれやすいテーマです。
おしょうゆさんは「全枠が真っ向対決というわけではないが、同じRubyで取り組んでもこれだけ世界観が違うと気づける配置になった」と説明します。
合戦:屋外アクティビティ(詳細は当日まで非公開)
タイムテーブルには「合戦」という謎の枠が設けられています。具体的な内容は当日まで非公開ですが、会場には広い芝生の広場があり、「動きやすい服装」での参加が推奨されています。技術カンファレンスでこの案内は異例です。
チケット購入時のアンケートで「東」「西」「真ん中」を選択する仕組みがあり、5月7日時点の回答結果では東西がほぼ拮抗。なっちゃんさんは「合戦では裏切りも大歓迎。なんといっても関ケ原ですから」とコメント。最終的には「いろんな地域のRubyistが混ざる場にしたい」という狙いもあります。
宴(懇親会)・前夜祭・翌日イベント
懇親会(酒宴): 本会終了後、会場内で開催。岐阜の醸造所によるクラフトビール複数種類と、日本酒好きが選んだ地元の日本酒を提供予定。晴天時は屋外の芝生も利用。終了は19:30を予定しており、東京・大阪からの日帰り参加でも参加しやすいスケジュールです。
前夜祭(5月29日・金曜日): 岐阜駅から徒歩7分ほどの店舗で郷土料理のコースを予定。当初の想定を超える参加申込みがあり、増枠後も「これ以上は増やせない」という状況に。初参加者が翌日に溶け込みやすくなる効果も狙いのひとつです。
翌日イベント:
- 岐阜関ケ原古戦場記念館ツアー(会場の隣接施設)
- 有志による長良川の鵜飼ウォッチングパーティー
参加登録の状況とチケット
インタビュー実施時点(5月7日)で101名、公開時点では127名以上が参加登録済み。目標は150名。チケット種別は以下の2種類です。
- 家臣チケット: お弁当(兵糧)付き
- 大名チケット: お弁当 + 公式サイトの大名ページへの氏名掲載
会場は関ケ原。東京から約3時間、大阪から約2時間でアクセス可能。宿泊の場合は岐阜駅周辺が推奨されています。
関ケ原・岐阜の観光・グルメ情報
実行委員おすすめのスポットとしては、岐阜関ケ原古戦場記念館(兜・陣羽織・模造刀の試着撮影コーナーあり)、会場近くの和菓子屋・松野屋(関ケ原の戦いにちなんだまんじゅうなど、当日おやつとして提供予定)、養老焼肉街道(飛騨牛をはじめ岐阜全体の畜産レベルが高く評判)が挙げられました。
参加者へのメッセージ
そうるさんは「5月の東海地方は技術系イベントが多く、フロントエンドカンファレンス名古屋・クラウドネイティブ会議・Open Source Conferenceなどと目白押し。Rubyを触ったことがない方でも、カンファレンスを楽しめる方であれば関ケ原Ruby会議01も楽しめる」と述べています。
おしょうゆさん(東軍):「きっと他にはない地域Ruby会議になるはず。東の者どもよ、いざ関ケ原の時。天下を統一しようぞ」
わいだーさん(西軍):「史実においては西軍無念にも敗れ候えども、関ケ原Ruby会議においてはさにあらず。我ら西軍、今こそ一丸となり、必ずや勝鬨をあげましょうぞ」