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2026.05.29

Oculus創業者が立ち上げたAIスタートアップ Sesame、会話型AIアプリをiOSで公開

記事のサマリー(TL;DR)

  • OculusをMetaへ売却した創業者らが設立したSesameが、iOSアプリを39カ国で無料公開(一部ウェイトリストあり)
  • 4種の会話型AIエージェント(Maya / Miles / Simone / Charlie)を搭載し、リサーチプレビュー段階で100万人超が利用
  • Sequoiaら主導の2億5,000万ドル(約375億円)のシリーズBを調達済み、2027年のスマートグラス展開を予告

国内の会話型AIアプリ・スマートグラス市場への影響

Sesameが打ち出している「思考中も会話が途切れない」設計は、ChatGPTのような従来型チャットUIとは異なるアプローチです。日本でも音声AIへの関心は高まっており、コールセンター向け対話AI・カスタマーサポートの自動化領域で採用検討が進んでいます。現時点でのiOSアプリは英語前提と見られますが、将来的に多言語対応が進めば、国内の音声インターフェース型SaaSや業務支援ツールとの競合・連携候補として注目されます。また、2027年に予告されているスマートグラス連携は、Meta Ray-Banとの競合軸になる可能性があり、XR/ウェアラブル市場を検討する事業者にとって動向を追う価値があります。エージェント機能(単なる応答ではなくアクション実行)については、業務システムとの接続を前提とした設計が今後の鍵となるため、kintoneやSalesforceなど国内利用が多いSaaSとのAPI連携がどこまで開放されるかが注目点です。

詳細

SesameとはどんなスタートアップかOculus創業者たちが立ち上げた会話AI企業

Sesameは、OculusをMetaへ売却したVR業界の創業者らを中心に設立された会話型AIスタートアップです。2025年5月29日(米国時間)、1年以上開発を続けてきた会話型AIエージェントのパブリックプレビューをiOSアプリとしてリリースしました。

同社は、投資家としてSequoiaを迎え、シリーズBで2億5,000万ドル(約375億円)を調達済みです。リサーチプレビュー段階で先行公開されていたMayaとMilesの2エージェントだけで、最初の数週間のうちに100万人超がアクセスしたとSequoiaは報告しています。

「考えながら話す」会話デザインの仕組み

Sesameが解決しようとしているのは、AI応答における速度と精度のトレードオフです。同社はローンチ発表の中で次のように説明しています。

「素早く返答することと、時間をかけて深く考えた返答をすることの間には、本質的な緊張関係がある。遅い返答の方が一般的に正確だが、時間がかかりすぎると不自然に感じられる」

この課題に対してSesameは、以下の技術を組み合わせています。

  • 高速な検索・情報取得システム:最新情報へのリアルタイムアクセスを実現
  • 並列マルチサーチ:AIが話しながら複数の検索を同時実行し、結果を会話に織り込む
  • 文中ピボット:人間が話しながら新しい事実を思い出すように、AIが発話中に内容を修正・補完する

これにより、返答が途中で止まったり長い沈黙が生じたりせず、会話が自然に流れ続けます。

4つのAIエージェント:Maya・Miles・Simone・Charlie

iOSアプリには、それぞれ独自の声・個性・視点・記憶を持つ4種のエージェントが搭載されています。

エージェント名 主な特徴
Maya リサーチプレビューから継続、100万人超が利用経験あり
Miles 同上
Simone 新規追加
Charlie 新規追加

ベータ期間中に追加された機能

ベータテスト中のユーザーフィードバックを受けて、以下の機能が追加されました。

  • サーチカード:概念を視覚化する画像付き検索結果カード
  • ノート機能:会話から重要なポイントを記録・保存
  • テキストモード:声を出せない状況でも使用できるチャット形式
  • ディープダイブ:より詳細な調査結果を取得できる深掘りモード
  • シークレットモード:会話に前後のコンテキストはアクセスできるが、記憶には一切保存されないプライベート会話モード

スマートグラスへの展開とエージェント機能の拡張

iOSアプリはあくまで第一ステップであり、Sesameが本命と位置づけているのは**2027年にリリース予定のインテリジェントスマートグラス(AIスマートグラス)**です。

また、現時点では「ともに考える」ことが主機能ですが、将来的にはエージェントがユーザーの代わりにアクションを実行する機能を追加する方針を同社は示唆しています。単なるチャットボットではなく「エージェント」と呼んでいるのはこのためです。

現在のエージェント型ツールを使うには、ユーザーが正確なプロンプトを構成し、何を・どのように実行するかをあらかじめ明確にしておく必要があります。Sesameが目指すのは、自然な会話の中でユーザーが次のステップを踏めるようにすること——プロンプトを完璧に書き上げなくても、対話を通じてタスクが進められる体験です。

提供状況

  • 対応OS:iOS(Androidプレビューは今後提供予定)
  • 提供国:39カ国
  • 料金:現時点で全機能が無料(ウェイトリストあり)