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2026.06.12

DeezerのAI音楽検出ツールがSpotify・Apple Musicのプレイリストにも対応

記事のサマリー(TL;DR)

  • DeezerがSpotify・Apple Musicなど20プラットフォーム対応のAI音楽検出ツールを無料公開、27言語をサポート
  • 同社の新着楽曲の44%がAI生成であり、毎日約7万5,000曲・月200万曲以上が流入している
  • AI生成楽曲のストリーム数の約85%が不正と判定され、Deezerはすでに収益化から除外している

音楽配信・ライツ管理に関わる国内エンタメ・SaaS事業者への影響

日本では音楽著作権の管理をJASRACや NexToneが担っており、AI生成楽曲が大量に流通した場合の権利帰属や使用料の算定方法は未整備のままです。Deezerが公表した「新着楽曲の44%がAI生成」という数字は、日本市場でも遅かれ早かれ同様の課題が顕在化することを示唆しています。国内の音楽配信プラットフォームや、音楽ライセンスをAPIで扱うSaaSプロダクト(BGMサービス・動画編集ツール等)にとっては、AI生成コンテンツの識別レイヤーをシステムに組み込む必要性が具体的に迫ってきた段階といえます。また、Deezerが今回ライバル各社向けにも検出技術を外部提供している点は、音楽テックやコンテンツモデレーション領域でのAPI・SaaS化の動きとして参考になります。

詳細

Deezerが無料のクロスプラットフォームAI音楽検出ツールを発表

ストリーミングサービス上でAI生成音楽が急増する中、AIモデルの学習における著作物の無断利用への懸念や、ストリーミングシステムの不正操作(フラウド)に関する議論が高まっています。しかし多くの音楽ストリーミングサービスはAI音楽の検出ツールをまだ導入していません。そこでDeezerが独自にこの問題へ対処する動きに出ました。

2025年6月11日(木)に発表されたこのツールは、複数のストリーミングプラットフォームのプレイリストをスキャンし、AI生成楽曲を特定する無料のオンラインAI音楽検出器です。27言語に対応しており、主要20プラットフォームのユーザーが自分のプレイリストにAI生成楽曲が含まれているかどうかを確認できます。

使い方とサポートプラットフォーム

利用方法はシンプルです。DeezerのAI音楽検出器サイトにアクセスし、使用しているストリーミングサービスを選択して、Deezerにプレイリストへのアクセスを許可するだけです。プレイリストをインポートすると、サービスがAIコンテンツをスキャンし、検出結果を通知します。結果をシェアするオプションも用意されています。対応プラットフォームはSpotify、Apple Music、SoundCloud、YouTube Musicなど多数です。

業界でもっとも積極的なAI音楽への対抗姿勢

Apple MusicやSpotifyがAI生成楽曲に「タグ付け」アプローチをとっているのに対し、DeezerはAIトラックをレコメンデーションから積極的に除外し、編集プレイリストにも加えない方針をとっています。さらに最近は自社のAI検出技術をライバルプラットフォームに対しても外部提供し始めています。

DeezerのCEO、アレクシス・ランテルニエ(Alexis Lanternier)氏は声明の中で次のように述べています。「過去1年半にわたりAI生成音楽の検出とタグ付けを行い、Deezerは音楽ストリーミングにおける透明性の最前線に立ってきました。他のどの企業もまだ私たちに追随していないため、どのストリーミングプラットフォームを使っているユーザーでも自分のプレイリストにシンセティック(合成)ミュージックが含まれているか確認できるようにすることにしました」

AIトラックの44%が新着楽曲、そのほとんどが不正と判定

Deezerが今回の発表で明らかにした数字は衝撃的です。同プラットフォームにアップロードされる新着楽曲のうち44%がAI生成であり、現在は1日あたり約7万5,000曲、月換算で200万曲以上が流入しています。

一方で、AI生成楽曲のストリーム再生率は全体の1〜3%と依然低く、そのうち約85%が不正と判定され、Deezerのプラットフォームでは収益化(モネタイズ)の対象から除外されています。

次のステップ:サプライヤーポリシー変更やコンテンツ削除も検討

Deezerは今後の方針として、サプライヤー(コンテンツ提供者)向けポリシーの更新やコンテンツの削除なども慎重に検討していると発表しています。これはAI音楽を今年初めに全面禁止したBandcampの方針に続くものとなる可能性があります。