記事のサマリー(TL;DR)
- InstagramがAI生成プロフィールの新ラベル「AI-generated profile」を導入し、未開示アカウントのリーチを削減
- Goose事件やNYT報道など、AIインフルエンサー問題が深刻化した社会的背景が直接の契機
- Metaは同時期に米各州と180億ドル(約2.7兆円)で和解、未成年保護策も併せて発表
国内SNS運用・インフルエンサーマーケティング担当者が押さえるべき変更点
今回のInstagramの方針変更は、日本国内でAIインフルエンサーやバーチャルモデルを活用したSNSマーケティングを行うブランドや代理店にも直接影響します。Instagramの規約は全世界一律で適用されるため、日本語アカウントであっても「AIが生成した人物」を起用したプロフィールには新ラベルの付与が求められます。ラベルを適切に付けたアカウントはペナルティを受けないとMeta側は明言しており、開示さえ行えばAIキャラクター運用自体は継続可能です。一方、未開示のまま運用を続けると、アルゴリズム上のリーチが削減されるリスクが生じます。国内でも美容・健康・ライフスタイル領域でAIアバターを活用したアカウントが増えており、既存運用の棚卸しと開示ポリシーの再確認が急務です。また、写真のAI編集やキャプション補正など「コンテンツ制作補助」としてのAI利用には今回のラベルは不要とされているため、ツールごとの適用範囲の整理も必要になります。
詳細
Instagramの新ラベル「AI-generated profile」とは
Instagramは2026年8月25日(月)、AIが生成または実質的に作成した人物をプロフィールに掲載しているアカウントに対し、新たなラベル表示ポリシーを導入すると発表しました。既存の「AI creator(AIクリエイター)」という名称を「AI-generated profile(AIが生成したプロフィール)」に改称し、一般ユーザーが見たときに意味を直感的に理解しやすくなるよう変更します。
新ラベルは「プロフィールに登場する人物がAIによって生成・構成されている」ことをユーザーに伝えるものです。適切にラベルを付けているクリエイターは、AI生成人物を起用しているだけの理由ではペナルティを受けません。逆に、ラベルを付けずにAI生成人物のプロフィールを運用しているクリエイターはリーチが削減される可能性があります。
なお、写真のAI編集、キャプションの文章改善、グラフィック作成、その他クリエイティブな加工目的でAIを使用する場合には、このラベルは不要とされています。
背景:AIインフルエンサー問題が社会問題化
Instagramは今回の変更について、「AIで生成された人物のように見えるプロフィールを見て、後から実は完全にAI生成だったと知ったユーザーからの声に応えた」と説明しています。
この問題の深刻さを示す具体的な事例が今年相次いで報告されました。ゲイ向けデートアプリ「Goose」をめぐっては、Wiredが調査報道を実施。AIが生成したとみられる男性インフルエンサーのアカウントが20数件以上Instagram上に存在し、一部はDMを通じてユーザーにアプリへの登録を促していたことが明らかになりました。
また、The New York Timesは2026年7月に、SNS上で数百件ものAI生成の医師・ヒーラー・ウェルネス系インフルエンサーがサプリメントの宣伝や健康上の主張を行っていると報告。健康・医療情報の信頼性を損なう問題として広く注目を集めました。
Metaをめぐる近時の対応
Instagramはこれ以外にも最近、ユーザーの公開投稿を本人の明示的な同意なしに利用して他者の似顔絵画像を生成できるAIツールへの批判を受け、当該機能を削除しています。
さらに先週(2026年8月下旬)、Metaは米国の複数州と180億ドル(約2.7兆円) の和解に合意しました。FacebookおよびInstagramが未成年者に与える影響に関する申立てを受けたものです。和解の一環として、Metaはティーン(10代)ユーザー向けに以下の対策を導入する予定です。
- 1日2時間のデフォルト利用制限(FacebookおよびInstagram共通)
- ナイトモードブロック(夜間の使用制限)
- 授業時間中の通知ミュート
- その他の利用制限措置