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2026.09.20

トランプ大統領が「AI」の名称変更を提唱し、宇宙軍に続く「AI Force」の創設を宣言

記事のサマリー(TL;DR)

  • トランプ大統領がTruth Social上でAIを「Superior/Extreme/Supreme Intelligence」に改称する投票を実施
  • 宇宙軍(Space Force)に倣った「AI Force」創設と、高IQ限定のAI Czar(調整官)任命を近日中に発表すると宣言
  • Nvidia CEOジェンスン・ファンがAI規制論を「hoax(でたらめ)」と断じ、トランプの立場を公に支持

日本のAI政策・規制動向と国内企業が注目すべき点

今回のトランプ発言は米国内政の色彩が強いが、日本のビジネス環境への影響は二つの観点から無視できません。

第一に、米国の規制スタンスがAI開発競争の地政学的枠組みを左右する点です。Anthropicが「AIは今decade内に人類を滅ぼしかねない」と内部で議論していることが表面化し、OpenAIのサム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏がAnthropicのDario Amodei CEOの「フロンティア減速論」を支持する一方、トランプ政権はAIの安全規制論そのものを「ラディカル左派のでっちあげ」と位置づけています。この構図は、欧州・英国・日本の各国政府が進めるAIガバナンス議論の対米交渉力に直接影響します。

第二に、「AI Czar」ポストの新設です。前任のDavid Sacksが退任して以降、米国AI政策の窓口が曖昧になっていましたが、新Czarが就任すれば規制・調達・輸出管理において日本企業が窓口とすべき政府連絡先が明確化されます。Nvidiaチップの輸出規制やデータセンター立地審査(ニューヨーク州が大規模プロジェクトの許可を停止した事例など)は、日本企業のGPUクラウド調達コスト・リードタイムにも波及するため、動向を継続的に追う必要があります。


詳細

トランプ大統領、AIの名称変更をTruth Socialで呼びかけ

2025年のある土曜日、ドナルド・トランプ大統領はソーシャルネットワーク「Truth Social」に投稿し、「Artificial Intelligence(人工知能)」という言葉は不正確で「非常に表現力に欠ける(very ineloquent)」と主張。支持者向けに以下の3択から新名称を選ぶ投票を実施しました(記事公開時点で投票継続中)。

  • Superior Intelligence(優越知性)
  • Extreme Intelligence(極限知性)
  • Supreme Intelligence(至高知性)

AI安全論を「民主党のhoax」と断言

数時間後、トランプ大統領は続く投稿でAIの「壊滅・破壊」を目指す動きを「過激左派の民主党が祖国を破壊するために作り上げた数多くのhoaxの一つ」と位置づけました。同大統領は「RUSSIA、RUSSIA、RUSSIA」「Global Warming」「弾劾hoax #1・#2」などと並列して列挙し、AI安全論が同様の「仕掛け」だと主張しています。

ただし、AIやデータセンターへの懸念が組織的に作られたものであるという証拠は一切示されていません。実際、データセンターの急拡大に対する懸念は共和・民主両党から上がっており、ニューヨーク州は大規模プロジェクトへの許可を停止した米国初の州となっています。

「AI Force」創設とAI Czar任命を予告

トランプ大統領は「AI産業を大切にし、成長を見守る」と述べたうえで、第一期政権で創設したSpace Force(宇宙軍)に倣った「AI Force」を設立すると宣言。また近日中にAI Czar(調整官)を任命するとし、「高IQの人材のみ応募可能」と付け加えました。AI ForceとAI Czarの具体的な職務・権限についての説明はありませんでした。

前任のAI・暗号資産担当CzarだったベンチャーキャピタリストのDavid Sacks氏は今年初めに退任し、現在は大統領科学技術諮問委員会(PCAST)の共同議長を務めています。

Anthropicの「AIリスク」論と業界の反応

今回の発言の背景には、AI安全論を巡る議論の激化があります。あるAnthropicの研究者が「主要AI企業は自分たちが開発するAIが今decade内に人類を滅ぼしかねないと本気で信じており、命をかけたギャンブルをしている」と訴えて退職したことが注目を集めました。

Anthropic CEOのDario Amodei氏はその後「フロンティアのペースを落とす」プランを公表。OpenAI CEOサム・アルトマン氏とSpaceX CEOイーロン・マスク氏が支持する姿勢を見せた一方、AI業界批評家たちは「存在論的リスクの強調はAIの直近の弊害から目を背けさせるためのものだ」と反論しています。

Nvidia CEOジェンスン・ファンがトランプ支持を公言

「All-In Summit」(David Sacksが共同ホストを務めるイベント)の壇上では、**Nvidia CEO ジェンスン・ファン(Jensen Huang)**氏がトランプ大統領に電話し、「AIバックラッシュはhoaxだ」という大統領の見解に同意。「減速は絶対に起こさせない」と発言しました。NvidiaはAIインフラ向けGPUの最大手サプライヤーとして、規制強化に直接的な利害関係を持ちます。