記事のサマリー(TL;DR)
- 2026年10月3日(土)開催の freee「技術の日」に、2026年新卒エンジニアが2セッション登壇
- 1件目は GTM エンジニアによる商談スコアリング・タスクエージェント開発、2件目は申告書チェック AI エージェントの発案〜プロダクト組み込みまでの過程
- 「完璧な要件を待たずに動くものを作り、現場の声で仕様化する」というプロトタイプ駆動の開発スタイルが両セッション共通のテーマ
freee × 業務 SaaS 開発者が参考にすべき AI エージェント設計の論点
freee が公開している「顧問先管理 AI エージェント」や「申告書チェックエージェント」は、税理士ドメイン特化型の AI 自律ワークフローです。この取り組みが示す設計思想——「チェック結果を見せるだけでなく、ユーザーが次の行動へ迷わず移れるよう設計する」「数値は AI に書き換えさせず、ユーザー自身が確認・修正する」——は、kintone や Salesforce など業務 SaaS に AI エージェントを組み込む際の信頼設計にも直結します。
また、GTM エンジニアリングの概念(API・LLM・データパイプラインを組み合わせ、収益に直結するワークフローを自動化する役割)は、日本の SaaS 企業ではまだ職種として浸透していませんが、インサイドセールスの商談品質をスコア化して再現性を高めるユースケースは、CRM と LLM を組み合わせた構成で実装可能な段階に来ています。freee の事例はその先行実装として参照価値があります。
詳細
freee「技術の日」2026 とは
freee「技術の日」は、freee のエンジニア・PdM・デザイナーが社外に向けて技術的知見を発信するカンファレンスです。2026年は 10月3日(土) に開催。現地参加のほかオンライン視聴にも対応しています。今回の注目点は、2026年新卒入社のメンバーが2セッションに登壇するという点です。
セッション①「GTMエンジニアって何するの?」新卒1年目がトップセールスと走ったAI-Native開発の裏側
🕔 17:40〜17:47 / KATARIBA STAGE / 登壇:mornin
GTM(Go-To-Market)エンジニアとは、API・LLM・データパイプラインを駆使して人間が介在しない自律的なワークフローを設計し、収益に直結するインフラを構築する役割です。買い手の心理や営業プロセスへの深い理解も求められます。
このセッションで紹介されるのは、トップセールスの成果を再現性のある仕組みにするという取り組みです。具体的には、商談の流れやトップセールスのテクニックを「型」として言語化し、その型をもとに商談ごとの達成度をスコアとサマリで可視化するタスクエージェントを開発しています。
新卒1年目で GTM エンジニアとして配属された mornin が、営業現場の深い理解を持ちながらどう壁を乗り越えてきたかが語られます。
🔗 セッション詳細: https://freee-tech-day.freee.co.jp/2026/#session=katariba-1740
セッション②「税務ドメインスペシャリストと向き合う、高難易度AIエージェント開発の舞台裏」
🕔 17:47〜17:55 / KATARIBA STAGE / 登壇:たくちゃん、kao
freee が発表した「顧問先管理 AI エージェント」の中核機能である「申告書チェックエージェント」を、発案から数ヶ月という短期間でプロダクトへ組み込んだ過程を語るセッションです。
始まりは「申告書の作成チェックを AI エージェントで実現するには何が必要か洗い出して欲しい」という一つの依頼でした。当時、申告領域の PdM はひとり。依頼を受けた当日にワークフロー型のプロトタイプを構築し、PoC をスタートさせます。その後、エンジニア・PdM・デザイナー・QA が加わりチーム開発へと発展していきました。
開発を通じて大切にされた考え方は以下の3点です。
1. 完璧な要件を待たず、仮説を動く形にしてから学ぶ
税理士へのヒアリングが十分でない段階でも、公開済みのチェックポイントをもとに動くものを先に作りました。実際に動かしながら議論することで、処理速度や UI など、机上では見えなかった課題を早期に発見できました。
2. 実際の業務を肌で感じ、高速で仕様にする
税理士が担う「申告書作成→チェック→提出」の業務フローとペインをヒアリングし、プロトタイプを高速で構築。社内のドメインスペシャリストとヒアリング先の税理士にレビューを依頼し、実際に求められているものかを徹底的に検証しながら仕様化を進めました。
3. 結果を見せるだけでなく、その後の行動まで設計する
チェック結果を表示することそのものではなく、ユーザーが迷わず次の行動へ移れることを重視しました。具体的には、問題箇所をハイライトした申告画面へのディープリンクを用意し、数値は AI に書き換えさせず、ユーザー自身が確認・修正できる設計を採用。申告業務に求められる安心感を設計レベルで作り込んでいます。
PdM の「たくちゃん」と新卒1年目エンジニア「kao」が、専門性の高い税務ドメインで AI エージェント開発に挑んだリアルを語ります。
🔗 セッション詳細: https://freee-tech-day.freee.co.jp/2026/#session=katariba-1747
イベント概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年10月3日(土) |
| 形式 | 現地参加 + オンライン視聴 |
| 公式サイト | https://freee-tech-day.freee.co.jp/2026/ |
現地参加者はイメージキャラクター「Sweee」とのグリーティングやオフィスツアーにも参加できます。