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2026.08.28

Barret Zoph氏がGoogleへ——OpenAI・Thinking Machines経由で副社長職に就任

記事のサマリー(TL;DR)

  • Barret Zoph氏がGoogleのリサーチ担当VP(副社長)に就任。強化学習・ポストトレーニング領域でGemini開発を担う
  • Zoph氏はThinking Machines共同創業者として知られるが、2025年1月に解雇され、OpenAIに5か月間復帰後の2026年6月に退社
  • OpenAIでは直近8か月でCOOをはじめ多数の重要幹部が流出しており、AI業界全体で幹部の在職期間が短期化している

日本のAI・SaaS企業が注目すべきAI幹部流動化のリスク

AI分野で最前線を走る人材の在職期間が急速に縮まっています。Zoph氏の場合、Thinking Machinesでの在籍はわずか数か月、OpenAI復帰後も5か月で退社という展開でした。この流動性は単なる「転職話」にとどまらず、AIスタートアップや大企業がどのようにチームを維持・構築するかという経営課題を映し出しています。

日本国内でも、生成AIプロダクトや業務システムへのAI統合に取り組む企業が急増しています。海外ビッグテック・スタートアップへの技術依存度が高い場合、キーパーソンの突然の離脱がロードマップや製品品質に直接影響する可能性があります。ベンダー選定にあたっては、特定個人への依存度と組織的な技術蓄積のバランスを確認することが、中長期的なリスク管理の観点から重要です。

また、GoogleがZoph氏の「RL(強化学習)とポストトレーニングの専門性」をGeminiへ活かすと明言していることは、Geminiを業務に組み込んでいる企業にとっても注目点です。Gemini API・Vertex AIを利用する国内企業は、今後のモデル更新の方向性(ポストトレーニング品質の向上)を見越したシステム設計を検討する価値があります。

詳細

Barret Zoph氏の経歴と今回の動き

Barret Zoph氏はAIスタートアップ「Thinking Machines」の共同創業者の一人です。同社はOpenAIを2024年9月に退社したMira Murati氏が立ち上げた企業で、Zoph氏も2024年10月にOpenAIを退社して参画しました。Zoph氏はそれ以前にもGoogleに在籍した経験があり、今回のGoogleへの復帰は3社目のビッグテックへの帰還となります。

2025年1月、Zoph氏はThinking Machinesのもう一人の共同創業者であるLuke Metz氏とともに、同スタートアップを「劇的に」退社しOpenAIへ復帰しました。後に、Zoph氏がThinking Machinesから解雇されていたことが明らかになっています。

OpenAIでの5か月間と再びの退社

OpenAI復帰後、Zoph氏はAIエンタープライズセールス部門の責任者を任されました。しかし復帰から5か月後の2026年6月、再びOpenAIを去ることになります。

今回のGoogleへの着任についてGoogleの広報担当者はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、「BarretがGoogleに戻り、GeminiにRLとポストトレーニングの専門性をもたらすことを楽しみにしている」とコメントしました。TechCrunchはOpenAIとGoogle双方に追加コメントを求めています。

AI業界における幹部の在職期間短期化

AI業界全体、特にOpenAIでの幹部流出は深刻です。直近8か月でCOO(最高執行責任者)の離脱、データセンター部門の主要幹部の退社など、OpenAIは重要な人材を次々と失っています。IPOに向けて準備を進め、テック業界有数の存在感を持ちながらも、人材の定着という点では大きな課題を抱えているかたちです。

なぜテック幹部の在職期間が短くなっているのか、その背景を明確に読み解くことは容易ではありません。ただ、AI分野では技術の進化速度と競争環境の変化が激しく、キャリアの選択肢も常に更新され続けるため、特定の企業・ポジションへのコミットメントが難しくなっているという構造的な要因が指摘されています。