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2026.07.15

Gemini が東南アジアで急成長——1年でアクティブユーザー2倍超、Gemini Spark を現地語で展開

記事のサマリー(TL;DR)

  • 東南アジアの Gemini アクティブユーザーが1年で2倍超に増加——Googleアプリの中で最速の普及
  • プロンプトの約70%が現地語で入力。ベトナム89%・タイ87%・インドネシア84%がトップ3
  • Gemini Spark(AIエージェント機能)が Gemini Advanced 加入者向けに現地語で今週展開開始

日本のEC・SaaS事業者が注目すべき東南アジア市場とGemini普及の実態

Google が公表した初の「Gemini Southeast Asia Report(2026年)」は、東南アジア全体で AI アシスタントの利用がどの段階まで日常化したかを示す重要なベンチマークとなります。日本から東南アジア向けに越境 EC を展開している事業者、あるいはタイ・インドネシア・ベトナムなど現地市場のユーザー向けにサービスを提供している企業にとっては、ユーザーの AI 活用行動そのものが顧客体験設計に直結します。

特に注目すべき点は2つあります。第一に、現地語でのインタラクションが主流であること(全プロンプトの約70%が非英語)。日本語ローカライズと同様に、東南アジア向けサービスにおいても Gemini API やマルチモーダル入力への対応が競争条件になり得ます。第二に、モバイルファーストの利用実態です。東南アジアでは4分の3近くのリクエストがモバイルから行われており、音声・画像・動画のマルチモーダル入力が40%以上を占めています。Shopify Plus などで東南アジア向けのストアフロントを構築する際、音声・ビジュアル検索への対応はすでに後回しにできない選択肢になっています。

詳細

初の「Gemini Southeast Asia Report」が示す急成長の実態

Google は2026年7月14日、東南アジアを対象とした初の Gemini 利用実態レポートを公開しました。対象国はインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの6カ国で、同地域における Gemini アプリのアクティブユーザー数は過去1年間で2倍以上に増加しています。

成長を牽引する要因として、Googleは2点を挙げています。ひとつは、地域人口の約40%が25歳未満という若年層の多さ。もうひとつは、東南アジア言語における Gemini のモデル性能の高さです。東南アジア言語の総合ベンチマーク「SEA-HELM(Southeast Asia Holistic Evaluation of Language Models)」において、Gemini は現時点で最も高いスコアを記録する大規模言語モデル(LLM)となっています。

現地語・モバイル・マルチモーダルが3大トレンド

現地語フラスト(Local Language Fluency)
東南アジア全体では、プロンプトの約70%が現地語で入力されています。国別ではベトナムが89%、タイが87%、インドネシアが84%と特に高く、英語よりも母国語での利用が主流です。

モバイルファーストの利用行動
同地域の Gemini リクエストの約4分の3(75%近く)がモバイルデバイスから発生しています。また、音声・写真・動画アップロードなどのマルチモーダル入力がプロンプト全体の40%以上を占め、音声のみの入力(Gemini Live 利用)も10%に上ります。キーボード入力を前提としないインターフェース設計が現地では標準化しつつあります。

クリエイティブ利用が全体の約40%
全クエリの約40%が、画像・音楽・動画・文書の新規生成を目的としています。画像生成モデル「Nano Banana」では過去1年間で累計50億枚の画像が生成されました。また、音楽生成モデル「Lyria 3」は東南アジアでの提供開始以来、約100万曲が生成されています。

リサーチ・思考パートナーとしての活用
文書の要約や雑然としたデータの整理など、リサーチ補助としての活用も広がっています。誕生日プレゼントのアイデア提案や旅行先のレコメンド、トラブルシューティングの手順案内など、意思決定を支援する「思考パートナー」としての用途も日常的に使われています。

Gemini Spark——バックグラウンドで動くAIエージェント機能

今週から Gemini Advanced(Ultra)加入者向けに、現地語対応版の「Gemini Spark」が順次展開されます。Spark は、Gemini を「質問に答えるアシスタント」から「実際の作業を代理で完了するアクティブなパートナー」へと変える機能です。

Spark の主な特徴は以下の通りです。

  • 24時間365日のバックグラウンド動作:ノートPCを閉じた状態、スマートフォンがロック中でも動作し続ける
  • Google Workspace との深い統合:Gmail、Google ドキュメント、Google スライドなどと連携し、タスクを自動処理
  • プロアクティブなタスク管理:ユーザーが能動的に操作しなくても、指定したタスクを自律的に進行

英語版の先行ローンチに続き、今回インドネシア語・タイ語・ベトナム語などの現地語対応が加わります。この展開は、Gemini がすでに普及させた「Nano Banana(ビジュアル生成)」「Canvas(深い学習支援)」「カスタム Gems(個人・仕事のカスタマイズ)」といった既存機能の上に積み重なる形となっています。

Google は東南アジア6億人に向けて、Gemini を「個人的・能動的・強力なユニバーサルアシスタント」として進化させていく方針を明示しています。