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2026.05.22

Google I/O 2026 全発表まとめ:Gemini 3.5 Flash・Omni・Antigravity 2.0 ほか100項目

記事のサマリー(TL;DR)

  • Gemini 3.5 Flash が一般提供開始。Terminal-Bench 2.1で76.2%、他社大型モデル比で半額以下のコストを実現
  • AI Mode(AI検索) が月間10億ユーザーを突破。Universal Cartや情報エージェントなど購買・情報収集の自動化機能を追加
  • Google Antigravity 2.0 がスタンドアロンアプリ・CLI・SDKを揃え、マルチエージェント並列実行を実現。エンタープライズ向けGoogle Cloud連携も提供

国内Shopify・EC事業者とSaaS開発者が注目すべきI/O 2026の実装ポイント

Google I/O 2026で発表された Universal CartUniversal Commerce Protocol(UCP) は、Googleの検索・YouTube・Gmail上でカートを統合し、加盟ブランドとのスムーズな決済を実現するものです。Shopify Plusをはじめとする国内EC事業者にとっては、今後Googleエコシステムからのチェックアウト経路が増えることを意味し、Google Pay連携やUCP対応の優先度が上がります。また Google AI Studio でのAndroidアプリ直接ビルドやGoogle Play内部テストトラックへの1クリック公開は、社内ツール開発のスピードを大きく変えます。kintoneやSalesforceなど業務SaaSの補完UIを構築する際、Antigravity SDK経由でGeminiエージェントをホスト自社インフラに組み込む選択肢が具体的に使えるようになりました。さらに SynthID のOpenAI・ElevenLabs等への展開は、生成AIコンテンツの真正性確認を業界標準とする動きであり、マーケティング素材のコンプライアンス管理にも影響します。


詳細

Gemini 3.5 Flash:フロンティア品質を低レイテンシ・低コストで

Gemini 3.5 Flash が2026年5月20日より一般提供(GA)を開始しました。提供チャネルはエージェントファースト開発プラットフォーム Google AntigravityGemini APIGoogle AI StudioAndroid Studio です。

主なベンチマーク結果:

  • Terminal-Bench 2.1:76.2%
  • GDPval-AA:1656 Elo
  • MCP Atlas:83.6%

Gemini 3.1 Pro を上回るこれらのスコアを達成しながら、他のフロンティアモデルと比較して 半額以下のコスト で動作します。Artificial Analysis インデックスの「品質×速度」の右上象限に位置づけられており、品質とレイテンシのトレードオフが不要になりつつあります。

長期エージェントタスク(long-horizon agentic tasks)に最適化されており、従来は開発者が数日、監査担当者が数週間かけていた作業を大幅に短縮します。アプリケーション開発・コードベース保守・財務ドキュメント作成など実務ユースケースでの活用が想定されています。Gemini 3.5 Pro については社内利用中で、翌月のロールアウトが予定されています。


Gemini Omni:あらゆる入力からあらゆる出力を生成

Gemini Omni は、テキスト・画像・動画・音声など任意の入力から出力を生成する新モデルです。まず動画出力からスタートし、段階的に全メディア形式へ拡張されます。

特徴:

  • 重力・運動エネルギー・流体力学などの物理法則を直感的に理解し、よりリアルなシーン生成が可能
  • 生成動画には SynthID の不可視デジタル透かしが自動付与。GeminiアプリやGemini in Chrome、Searchでの真正性確認に対応
  • 画像・テキスト・動画・音声など複数の参照素材を単一の統合出力に変換

Gemini Omni Flash は、Google AI Plus・Pro・Ultra の全プランで Gemini アプリおよび Google Flow から即日利用可能。YouTube Shorts RemixYouTube Create では18歳以上のユーザーへ無料提供されます。


AI Search:月間10億ユーザーを超え、検索ボックスを25年ぶりに刷新

AI Mode(AI検索)が月間10億ユーザーを突破。既定モデルを Gemini 3.5 Flash に切り替えてグローバル展開します。クエリ数は四半期ごとに倍増しており、直前四半期の検索クエリ数は過去最高を記録しました。

今回の最大変更点は 検索ボックスの25年ぶりの刷新です。テキスト・画像・ファイル・動画・Chromeタブを横断して検索・推論できる「インテリジェント検索ボックス」として再設計されました。AI OverviewとAI Modeが統合され、検索結果ページからフォローアップ質問まで途切れなく移行できる体験がデスクトップ・モバイル全世界で即日公開されています。


情報エージェント(Information Agents):バックグラウンドで24時間365日監視

Searchに 情報エージェント が導入されます。ブログ・ニュースサイト・SNS投稿に加え、金融・ショッピング・スポーツのリアルタイムデータを横断してユーザーが設定したトピックを監視し、変化があれば要約レポートとともにアクションを提案します。

複数のエージェントを並列起動でき、プロジェクト管理・市場調査・在庫追跡など多様な用途に対応します。2026年夏に Google AI Pro・Ultra 向けから先行提供開始の予定です。


Generative UI と Antigravity in Search:その場でカスタムUIを生成

Google Antigravity のアジェンティックコーディング能力と Gemini 3.5 Flash を組み合わせ、Searchがクエリに合わせたカスタムUIをリアルタイム生成します。インタラクティブビジュアル・表・グラフ・シミュレーションなどを自動組み立てします。2026年夏、全ユーザーへ無料提供予定。

継続的なプロジェクト(結婚式の計画、引越し管理など)向けには、ダッシュボードやトラッカーのようなミニアプリをSearch上で構築できる機能も提供予定。まずサブスクライバーから数ヵ月以内に公開されます。


Personal Intelligence:98言語・200ヵ国近くに無料展開

AI ModeのPersonal Intelligenceが、約200の国と地域・98言語に拡大。サブスクリプション不要で提供されます。GmailやGoogle Photosとのセキュアな連携(近くGoogle Calendarも追加)が可能で、接続の有無はユーザーが完全にコントロールします。


Universal Cart:Google全面でのショッピング統合

Universal Cart は、Search・Gemini・YouTube・Gmailを横断して商品を追加・管理できるスマートなショッピングカートです。商品を追加した瞬間からバックグラウンドで動作し、値下げ・在庫復活・価格履歴・商品間の互換性問題を自動検出して通知します。

Universal Commerce Protocol(UCP) により、対応ブランドからはGoogle上で数タップ(Google Pay)での決済、または小売サイトへの直接転送が可能です。Google Walletと連携しており、支払い方法の特典やロイヤルティ情報に基づいて最適な決済方法を提示します。2026年夏にSearchとGeminiアプリへ展開、YouTubeとGmailは追って対応予定。


Gemini Spark:24時間稼働のパーソナルAIエージェント

Gemini Spark は、ユーザーの指示のもとデジタルライフ全般を管理する個人エージェントです。スマートフォンやノートPCがオフの状態でもバックグラウンドで動作し、Gemini 3.5 と Google Antigravity プラットフォーム上に構築されています。

初期リリースは安全性を最優先し、まず信頼できるテスターに限定提供。翌週から Google AI Ultra のアメリカのサブスクライバー向けにBetaを展開予定。ロードマップには、Sparkへの直接テスト・メール、カスタムサブエージェント作成、予算・加盟店を指定した自動支払い承認などが含まれます。


Daily Brief・Neural Expressive:Geminiアプリの大幅刷新

Daily Brief は、Geminiが夜間に受信箱・カレンダー・タスクを分析し、翌日の優先事項と次のアクションをまとめる新しいエージェント機能です。本日からGoogle AIサブスクライバー(18歳以上)の米国ユーザーのGeminiアプリに提供開始。

アプリのデザイン言語は Neural Expressive に刷新されました。流体アニメーション・鮮やかな配色・新タイポグラフィ・触覚フィードバックを組み合わせたUXで、テキストの壁がなくなりインタラクティブ画像・タイムライン・埋め込みビジュアルがリアルタイムでレイアウトされます。Gemini Liveも改良され、背景ノイズに強くなった新モデルで即時インライン表示が可能になりました。


Google Antigravity 2.0:エージェントファースト開発基盤の全面強化

Google Antigravity 2.0 は、スタンドアロンのデスクトップアプリとして提供される中央エージェント管理ハブです。複数エージェントを並列実行できるため、たとえば「1つのエージェントがWebサイトをコーディングしながら、別のエージェントがブランドアセットを生成する」といった同時進行が可能になります。

提供形態 概要
Antigravity 2.0(デスクトップアプリ) マルチエージェントの並列オーケストレーション
Antigravity CLI 軽量・高速なターミナル向けエージェント作成
Antigravity SDK Geminiモデルと共最適化されたプログラマティックアクセス、自社インフラへのホスティング対応

エージェントハーネスには新たな基本プリミティブ(サブエージェント・フック・非同期タスク管理)が追加されました。サブエージェントチームワーク機能により、数日かかっていたエンジニアリング作業が数時間・数分に短縮される事例が出ています(早期リサーチプレビューとして提供)。

Gemini CLI のユーザーは Antigravity CLI への移行が推奨されており、カスタムスキルの移行ガイドが公開済みです。

エンタープライズ向けには、Antigravity をGoogle Cloudプロジェクトに直接接続し、既存のエンタープライズ契約条件のまま利用できる仕組みが提供されます。既存のGemini Enterpriseユーザーへは数ヵ月以内にAntigravityが展開される予定です。


Google AI Studio:アイデアからAndroidアプリ公開まで一気通貫

  • スマートフォンでアイデアをキャプチャし、デスクに着いたときにはプロトタイプが完成している モバイルアプリ版AI Studio を近日提供
  • Google Workspace(Sheets・Drive・Docs)との直接統合でダッシュボード・ツール構築が可能
  • Build タブで ネイティブAndroidアプリ の直接ビルドが本日から利用可能
  • Google Play Console 連携で内部テストトラックへワンクリック公開
  • 初めてのユーザーは最初の2アプリを クレジットカード不要 でGoogle Cloudにデプロイ可能
  • Antigravityへのプロジェクトエクスポートで、会話履歴・プロジェクトファイル・シークレットを引き継いでスケールアップ可能

Managed Agents:APIコール1回でリモートLinux環境をプロビジョン

Managed Agents(Gemini API提供)では、Antigravityエージェントへの1回のAPIコールで以下が完結します:

  1. リモートLinux環境のプロビジョニング
  2. 隔離サンドボックスでのコード実行・ファイル管理
  3. ライブデータ取得のためのWeb閲覧

AGENTS.mdSKILL.md などのMarkdownファイルで指示やスキルを定義し、名前付きエージェントとして登録できるため、複雑なオーケストレーションコードが不要になります。

Build with Gemini XPRIZE Hackathon も発表。賞金総額200万ドルという史上最大規模のハッカソンで、Geminiを使って世界の重要課題を解決するアプリケーション構築を競います。


WebMCP・Chrome DevTools for Agents

  • WebMCP:JavaScriptの関数やHTMLフォームなどの構造化ツールをブラウザベースエージェントに公開する、提案中のオープンWebスタンダード
  • Modern Web Guidance:アクセシビリティ・パフォーマンス・セキュリティを考慮したモダンなWeb体験を構築するためのAIコーディングツール向けスキル集(早期プレビュー)
  • Chrome DevTools for Agents:リアルタイムでのコード検証・デバッグ・最適化に必要な可視性をAIエージェントに提供。Google Antigravityを含む20以上のコーディングエージェントで即日利用可能

サブスクリプションプラン

  • Google AI Ultra(月額100ドル):開発者・テクニカルリード・ナレッジワーカー向け。Geminiアプリ・AntigravityでAI Proの5倍の利用制限、20TBクラウドストレージを提供
  • Google AI Pro:YouTube Premium Lite(月額8.99ドル相当)が追加費用なしで付属。広告なし・オフライン・バックグラウンド再生に対応

AI Inbox・Google Pics・Docs Live・Talk to Keep

AI Inbox(Gmail):重要メールの優先表示に加え、文脈に基づいたパーソナライズされた返信ドラフトを自動生成。Google Doc・Sheet・Slideへのリンクをタスク横に表示。夏からGmailLiveで受信箱への音声クエリが可能に。

Google Pics:最新の Nano Banana モデルを活用した画像生成・編集ツール。オブジェクトセグメンテーション・テキスト編集・翻訳・Workspace連携を搭載。限定テスター向けに本日公開、夏にAI Pro・Ultraへグローバル展開。

Docs Live:音声でGoogleドキュメントを作成・編集。Gmail・Drive・Chat・Webから関連情報を自動取り込み(ユーザー許可制)。夏にAI Pro・Ultra向け提供開始。

Talk to Keep:音声のブレインダンプをKeepが自動で整理されたノートやリストに変換。夏にAI Pro・Ultra向けとGoogle Workspaceビジネス向けプレビューで提供。


Google Flow:クリエイティブスタジオとしての進化

Google Flowに Google Flow Agent が追加され、マルチステップのクリエイティブタスクを自律的に実行できるようになりました。脚本のセリフへのフィードバック、プロット推薦、複数バリエーションの一括生成・バッチ編集、アセットのコレクション整理・自動リネームなど、制作プロセス全体をサポートします。全Google Flowユーザーへグローバルに即日提供。

Google Flow Tools では、自然言語で専用クリエイティブツールを作成・共有・リミックス可能。コーディング経験不要でビデオエフェクト・手書きアニメーション・カスタムシェーダーなどを実装できます。

Google Flow Music では Gemini Omni を使ったミュージックビデオ制作が可能になり、歌詞の一部を別言語に変更したり、ジャンルや楽器を細かく編集したりできます。

Pomelli ではブランドコンテンツ作成とWebサイトデザインの新機能が追加。Stitch ではリアルタイムのテキスト・音声による設計指示と既存コードベース・デザインファイルのインポートに対応しました。


Gemini for Science:研究プロセスのエージェント化

Gemini for Science は、科学研究の各フェーズを支援する3つの実験的ツール群(Google Labsで5月19日から順次アクセス受付開始)で構成されます。

  1. Hypothesis Generation(Co-Scientist搭載):マルチエージェントの「アイデアトーナメント」で仮説を生成・評価・検証。引用リンク付きで厳密に裏付け
  2. Computational Discovery(AlphaEvolve + ERA搭載):数千のコードバリエーションを並列生成・スコアリング。太陽光発電予測や疫学など複雑な分野の新手法を数ヵ月分の作業を自動化して探索
  3. Literature Insights(NotebookLM搭載):科学文献を検索してカスタム属性付きの表に構造化。チャットで詳細を掘り下げ、レポート・スライド・インフォグラフィック・音声/動画概要を生成

Science Skills は、UniProt・AlphaFold Database・AlphaGenome API・InterProを含む30以上の主要ライフサイエンスデータベースを統合したバンドル。GitHubおよびGoogle Antigravityユーザー向けに5月19日から提供開始。構造的バイオインフォマティクスやゲノム解析を数時間から数分に短縮します。


Ask YouTube・Android XR・SynthID

Ask YouTube:複雑な検索クエリに対し、長尺動画とShortsを横断した構造化・インタラクティブな回答を提供する会話型検索機能。2026年5月中に英語・米国ユーザーのデスクトップで実験的に展開開始。

Android XR(インテリジェント眼鏡):オーディオグラスとディスプレイグラスの2種類を展開。オーディオグラスは Gentle Monster・Warby Parker・Samsung と共同開発し、2026年秋にAndroid・iOS両対応で発売予定。

SynthID:3年前に公開した不可視ウォーターマーク技術が世界で累計5,000万回利用されました。本日からSearchへの展開を開始し、数週間以内にChromeにも拡大。Lensや「Circle to Search」でも「これはAI生成ですか?」と確認可能になります。C2PA Content Credentials(改変の有無と使用ツールを検証)のサポートも追加され、まずGeminiアプリで提供開始。OpenAI・Kakao・ElevenLabs がSynthID技術を自社の生成AIコンテンツに採用することも発表されました。