記事のサマリー(TL;DR)
- Google が Android 12+ 向けにフェイク通話検知をグローバル展開、Pixel 端末から先行配信
- RCS を基盤とした「デジタルハンドシェイク」方式で AI ディープフェイクなりすましを自動検出
- Google Photos の「バーチャル試着」や Google Play Books の「あらすじ要約」など関連 Android アップデートも同時発表
国内スマートフォン・SaaS 利用者が知っておくべきフェイク通話対策の現状
AI 音声クローン技術を悪用したなりすまし詐欺は日本でも増加傾向にある。警察庁の特殊詐欺統計でも電話を入口とした被害は依然として高水準にあり、「母親の声でかかってくる緊急送金依頼」のようなシナリオは国内でも現実的な脅威だ。今回 Google が採用した RCS ベースのデバイス間検証は、送信側端末から無音確認信号(silent confirmation signal)を送り、受信側が不在を検知した際に警告を出す仕組みであり、キャリア側の対策とは独立して機能する点が特徴的。日本国内では iPhone シェアが高く Android 比率は低いものの、法人端末や格安スマートフォンには Android が多く採用されており、企業の情シス担当者は社用端末のポリシーとして Phone by Google アプリのバージョン管理を確認する価値がある。また kintone や Salesforce などを活用する営業・CS 部門では、外線電話と社内システムを Twilio 等で連携している構成も多いが、RCS 対応の有無によって本機能の恩恵が変わるため、テレフォニー統合の設計段階で RCS 対応可否を要件に加える動きが今後出てくる可能性がある。
詳細
フェイク通話検知の仕組み
Google は 2026 年 6 月、Android 向けに「フェイク通話検知(Fake Call Detection)」機能を発表した。Phone by Google アプリを通じて Android 12 以上のデバイスにグローバル展開されており、まず Pixel 端末から順次配信が始まっている。
この機能が生まれた背景には、詐欺師の戦術の変化がある。未知の番号への着信を無視するユーザーが増えたことで、詐欺師は信頼できる電話番号のなりすまし(スプーフィング)+ AI ディープフェイク音声という組み合わせに移行している。具体的な手口としては、「Mom」と表示される発信者番号から母親の声にそっくりな AI 音声でかかってきて、架空の緊急事態を名目に送金を要求するケースなどが挙げられる。
機能の中核となるのは Google が「デバイス間のデジタルハンドシェイク(digital handshake between devices)」と表現する検証プロセスだ。
「連絡先から着信があった際、お互いに Phone by Google を使用していれば、相手の端末が無音の確認信号をあなたのデバイスに送信し、通話が正規のものであること・実際にその端末から発信されていることを検証します」(Google ブログより)
詐欺師がなりすまそうとした場合、この確認信号が欠落する。すると受信側デバイスは相手の実際の端末に二重確認を送り、「現在通話していない」という応答が返ってきた時点で画面上に「すぐに電話を切るよう」警告が表示される。
本機能はデフォルトで有効になっており、ユーザーが設定を変更する必要はない。また Google は RCS(Rich Communication Services) を技術基盤に採用しており、他のアプリや企業もこの仕組みを取り込めるようオープンな設計にしている点も注目に値する。
同時発表された Android の関連アップデート
フェイク通話検知と同日、Google は複数の Android 新機能も発表した。
Google Photos「バーチャル試着(Wardrobe)」機能
写真ライブラリ内に写っている服を自動でカタログ化し、組み合わせを試着イメージで確認できる機能。来週より米国・インド・ブラジルの Android 10 以上のユーザーを対象に段階的に展開される。
Google Play Books「Catch me up」機能
読みかけの本に戻る際にあらすじ要約を生成する機能と、文章をハイライトして質問できる機能が追加された。本日より英語タイトルの一部で提供開始。
Circle to Search のアウトフィット一括検索
従来は服のアイテムを 1 点ずつ検索する必要があったが、アウトフィット全体を一度に検索できるようになった。Android 14 以上で Circle to Search が有効な全デバイスで即日利用可能。