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2026.06.18

Pinterest が会話型AIショッピングアプリ「Ask Pinterest」を発表——MCP対応広告ツールも同時公開

記事のサマリー(TL;DR)

  • PinterestがAI会話型ショッピングアプリ「Ask Pinterest」を限定公開——独自データ基盤「Taste Graph」を活用
  • 広告主向けに Pinterest MCP(Model Context Protocol)インフラを導入し、サードパーティのエージェントツールとキャンペーン管理を標準化
  • AI広告アシスタント(Ads Manager、米国ベータ)と新モデル「Performance+ creative」をグローバルリリース

国内ShopifyおよびEC事業者が注目すべきPinterest MCP導入の動向

PinterestのMCP対応は、広告プラットフォームがエージェント型AIとの接続を標準仕様として整備し始めた動きとして注目されます。MCPはAnthropicが策定したオープンな接続規格で、Shopifyもすでにショッピング体験へのMCP対応を進めています。Pinterest MCP を使うことで、広告主はサードパーティのAIエージェントツールを経由してキャンペーンの管理・監視を一元化できるようになります。

日本国内でもShopify Plus上でPinterest広告を運用しているEC事業者は少なくなく、こうしたエージェント接続の標準化は、将来的に複数広告プラットフォームをまたいだ自動入札・クリエイティブ最適化のワークフロー構築に直結します。「Ask Pinterest」のような会話型ショッピング体験はビジュアル訴求と相性のよいインテリア・ファッション・食領域で特に機能しやすく、これらのカテゴリを扱う日本ブランドにとっても海外展開の接点として意識しておく価値があります。

詳細

「Ask Pinterest」とは何か

Pinterestは2025年6月17日(水)、新しい実験的アプリ「Ask Pinterest」を発表しました。このアプリはPinterestのメインアプリとは独立したスタンドアローン型のウェブアプリケーションで、モバイル・デスクトップ両方のブラウザから利用可能です(現時点では限定アクセス)。

このアプリの核となるのは、Pinterestが社内で構築してきた「Taste Graph(テイストグラフ)」です。ユーザーの興味関心や審美的な好みを体系的にマッピングしたこのデータ基盤を活用し、自然言語による質問から文脈に合ったパーソナライズされた提案・インスピレーションを提供します。

従来のPinterest検索がキーワードベースのビジュアル探索を主体としていたのに対し、Ask Pinterestは複数のステップにわたる複雑な問い合わせに対応するチャットボット型インターフェースを提供します。たとえば「ディナーパーティーの準備を手伝って」「部屋を少しずつ模様替えしたい」といった、一問一答では完結しない長期的な相談にも対応できる設計です。

ユーザーがサインインすれば、自分が保存したピン(Pins)やボード(Boards)もパーソナライズの材料として活用され、セッションをまたいで文脈が保持されます。

Pinterestはこのアプリで得た知見を将来的にメインアプリのAI機能強化に反映させる方針で、メインアプリへの影響を最小限に抑えながら技術検証できるサンドボックスとして機能させています。

AI広告ツールの同時発表

Ask Pinterestと並行して、広告主・マーケター向けの複数のAI施策も発表されました。

AIアシスタント(Ads Manager内、米国ベータ)
米国のAds Manager内にAIアシスタント機能がベータ提供開始。広告運用の問い合わせや最適化提案をチャット形式でサポートします。

Performance+ creative(グローバル)
新しいAIモデル「Performance+ creative」がグローバルリリースされました。広告が表示されるたびに複数のクリエイティブ候補の中からパフォーマンス最良のものを自動選択する機能です。

Pinterest MCP(Model Context Protocol)
Pinterestプラットフォーム上でキャンペーンを運用する広告主向けに、MCPインフラレイヤーが導入されます。サードパーティのエージェント型AIツールを通じてキャンペーンの管理・監視を標準化された方法で行えるようになります。

競合との位置づけ

AI検索・ショッピングをめぐる競争は激化しています。GoogleはAIを活用したショッピング支援・価格追跡・チェックアウト機能を提供済みで、ChatGPTもエージェント型ショッピングを実験中、MetaやShopifyも同様の取り組みを進めています。

Pinterestのこれまでの戦略は、自社データを他のAIサービスへライセンス提供するのではなく、自社のAIモデル学習と自社製品の強化に用いることに重点を置いてきました。この方針はAsk Pinterestでも踏襲されており、Taste Graphという固有の資産でさまざまなサービスとの差別化を図っています。

Pinterest最高業務責任者のリー・ブラウン(Lee Brown)は今回の発表で「発見の未来はキーワードだけに依存しない。文脈・好み・信頼できるレコメンデーションによって形成される」と述べており、この領域においてPinterestが「独自の優位性」を持つと主張しています。

Cannes Lions(カンヌライオンズ)直前というタイミングで発表されたことも注目点です。今年のCannes Lionsは広告・マーケティング業界においてAI活用が最大のテーマとなっており、Pinterestはその文脈で自社のAI戦略を印象づける形になっています。