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2026.06.19

Karamo Brown が AI デジタルクローン搭載のウェルネスアプリ「Kē」を公開——Delphi が音声・人格を再現

記事のサマリー(TL;DR)

  • Netflix「Queer Eye」出演の Karamo Brown が、AI クローン対話機能を備えたウェルネスアプリ「Kē」を月額 14.99 ドルで公開
  • AI クローンは Delphi 製で、インタビューやポッドキャストなどの素材から Brown の声・人格を再現。Arnold Schwarzenegger も同社クローンを持つ
  • 将来的にはエージェント機能を追加し、AI Karamo がワークアウトプランを自動更新するなどのタスク実行も計画

日本のウェルネス・AI アプリ市場が注目すべき「著名人クローン」ビジネスモデル

セレブリティが自身の AI クローンをアプリに組み込むビジネスモデルは、日本市場でも今後浮上してくる可能性が高い。日本ではインフルエンサーや有名タレントが健康・美容関連アプリと提携する事例はすでに存在するが、Kē のように「本人の声と人格を AI で再現し、ユーザーが 24 時間対話できる」構造は新しい。

Delphi のようなクローンプラットフォームが日本語対応を進めた場合、国内の著名コーチやスポーツ選手がサブスクリプション型アプリに自分の AI クローンを組み込む形が現実的な応用として考えられる。一方、会話データが第三者(この場合は Delphi)に共有される点は、個人情報保護法(改正 2022 年施行)や来たる 2025 年改正動向との兼ね合いで、日本展開時に必ず検討が必要なポイントとなる。

また、ユーザーが AI クローンに感情的依存を形成するリスクについて Brown 自身が明言しているように、「人間的なつながりの代替ではなくツールとして設計する」というフレームは、メンタルヘルス領域の SaaS を扱う事業者が今後参照すべき設計思想といえます。

詳細

Karamo Brown と「Kē」アプリの概要

Netflix のリアリティ番組「Queer Eye(クィア・アイ)」でライフコーチを務める Karamo Brown が、ウェルネスアプリ「Kē(ケー)」を iOS・Android 向けにリリースしました。Brown 自身が約 1 年半にわたってフィットネス・栄養・瞑想・禁酒・人間関係・自己成長に取り組んだ経験をベースに設計されており、同じ道を歩みたいユーザーを支援することを目的としています。

アプリには以下の主要機能が含まれます。

  • パーソナライズされたフィットネスプラン:ユーザーが持つ器具やスケジュールに合わせてプランを生成。各ワークアウトにはフォームを確認できるガイド動画が付属
  • 栄養ガイダンス:自宅にある食材をもとにミールプランを提案。AI チャットボットを通じてプランの調整も可能
  • 瞑想セクション:ストレス・不安など特定の感情をターゲットとした動画コンテンツを提供
  • コミュニティ機能:禁酒・ウェルネスなど共通テーマを持つグループへの参加が可能
  • AI Karamo:Brown のデジタルクローンとリアルタイムで会話できる機能(後述)

料金は 3 日間の無料トライアル後、月額 14.99 ドルのサブスクリプションです。

AI クローン「AI Karamo」——Delphi が技術基盤を担当

Kē の核心機能が、AI スタートアップ Delphi(デルファイ) が開発した Brown のデジタルクローンです。Brown のインタビュー映像・ポッドキャストエピソード・各種クリップといった素材を学習素材として活用し、できる限り本人に近い形で人格と声を再現しています。

「親友と姉は今でも、私に連絡がつかないときに AI クローンと話している」と Brown は TechCrunch に語っています。なお、Arnold Schwarzenegger(アーノルド・シュワルツェネッガー)も Delphi を使った自身のクローンを持っており、同社は著名人クローンのプラットフォームとして実績を積んでいます。

Matthew McConaughey や Michael Caine が ElevenLabs(イレブンラボス) と提携して声のライセンスを供与した事例と同様、著名人が AI を活用して自分のブランドを拡張するトレンドが加速しています。

感情的依存とデータプライバシーへの対応

ファンが AI クローンに一方的な感情的依存を抱えるリスクについて、Brown は明確に線引きをしています。

「誰かが繊細な問題を抱えているときは、適切なリソースへ誘導し、実際の人間に助けを求めるよう促す設計になっている。これはあくまで内省・学習・成長を助けるツールであり、人間のつながりの代替ではない」(Brown)

会話頻度に上限は設けていませんが、「ユーザーを無限に AI と会話させ続けることが目的ではない。人生における前進を助けるために設計されている」と述べています。また、やり取りの安全性を保つために人間のチームが監視を行っています。

ただし、AI Karamo 機能を利用した場合、会話データは Delphi に共有される点には注意が必要です。センシティブな情報の入力は避けることが推奨されます。

今後の展開:エージェント機能の追加

Delphi は Kē へのエージェント機能(agentic capabilities)の実装を計画しています。例えば AI Karamo がワークアウトのアドバイスを提供するだけでなく、ユーザーに代わって「My Plan」タブを直接更新するといったタスク実行が将来的に可能になる見込みです。

「AI が議論に上り始めた数年前、私は正直かなり懐疑的だった。だが技術は大きく進化し、Delphi のような企業が真摯なアプローチを取っているのを見て考えが変わった」と Brown は言います。