記事のサマリー(TL;DR)
- Shopifyは開発者向け管理画面「Dev Dashboard」を刷新し、コラボレーターアクセスの管理やアプリの健全性の把握など、これまで複数の場所に分かれていた作業を1か所に集約したと発表しました。
- 新しい「Home」では収益(Revenue)、業務状況(Business status)、変更履歴(Changelog)を確認でき、アプリ一覧(Apps index)、ストア一覧(Stores index)、ログ(Logs)機能も追加されています。
- 今後はアプリ関連機能の統合、アプリ履歴、アクセス申請、紹介ストア表示、支払い・請求管理などの追加が予定されているとしています。
詳細
開発の背景
Shopifyによると、コミュニティフォーラムやサポートとのやり取りの中で、コラボレーターアクセスの管理やアプリの健全性の把握といった日常的な作業に手間がかかりすぎるという声が寄せられていたといいます。今回のリリースでは、開発者が扱うアプリとストアに関する、ストア管理・コラボレーターアクセス・アプリの健全性という作業を1つの場所にまとめ、事業状況の確認と、対応が必要な事項への対処を、すべてのアプリとストアを横断して行えるようにしたとしています。
新しいHome画面
新しいDev Dashboard Homeは、サインイン直後に「自分のビジネスはどうなっているか」「何に対応が必要か」という2つの問いに答えられるようにすることを目的としているとしています。これにより、加盟店(マーチャント)から連絡が来る前にアプリの問題に気づけるとしています。主な追加機能は次の通りです。
- Revenue(収益): ポートフォリオ全体のトップライン収益を表示します。収益の表示は既存の権限設定に従うため、追加の権限設定は不要だとしています。
- Business status(業務状況): すべてのアプリとストアにまたがるエラーや警告を1つの表にまとめ、緊急度の高い順に表示します。アプリの停止やWebhookの失敗といった重大な問題を優先的に確認し、続いて非推奨のAPI呼び出しなどの警告を確認できます。コラボレーターアクセスの期限切れやストアの譲渡進行中といったストア側の問題もここに表示されます。
- Changelog(変更履歴): Home画面から開発者向け変更履歴を直接確認でき、API更新や破壊的変更(breaking changes)の情報が届くようになっています。
アプリ一覧と各種指標
新しい「Apps index(アプリ一覧)」では、ポートフォリオ全体を1つの並べ替え可能なリストで表示し、各アプリの収益、インストール数、配布ステータス、有効なアラートを確認できます。収益順やアラート順に並べ替えることで、アプリを個別に開かなくても今日確認すべきアプリが分かるとしています。
各アプリをクリックすると、ビジネス面と技術面の両方の詳細な指標を確認できます。具体的には、時系列での収益・インストール数・アンインストール数、API リクエスト数とエラー率、各APIのログ、加盟店の管理画面(admin)上でのアプリの動作状況などです。
「Installs」カードは、開発用ストアやアクティブなプランのないストアを含め、そのアプリが導入されているすべてのストアを数えます。件数を選択すると、そのアプリをインストールしたすべてのストアを確認できます。例えば火曜日にリリースし、金曜日にインストール数が落ち込んだ場合、インストール数とアンインストール数のグラフから、加盟店が離脱したのか、新規インストールが単に減速しただけなのかが分かるとしています。
エラー率は単体では読み取りにくいため、各グラフはエラー率をその下の呼び出し件数と合わせて表示します。4件の呼び出し中50%のエラー率であれば誤差の範囲ですが、4万件中50%であれば重大な問題だとしています。各グラフはログ画面にリンクしており、該当のAPIとエラーであらかじめ絞り込まれているため、グラフ上の急上昇からワンクリックでその背後にあるリクエストを確認できます。
ストア一覧
これまで3つの別々のタブに分かれていたストア情報を、新しい「Stores index(ストア一覧)」で1つのリストにまとめました。クライアント向けストア、開発用ストア、コラボレーターストアを1つのリストに統合し、自分が所有する、またはアクセス権を持つすべてのストアを横断して検索・絞り込みができます。クライアント向けにアプリを構築している開発者にとっては、ここが作業の起点になるとしています。アプリをインストールした加盟店からサポート依頼があった場合、ストアの一覧を離れたりドメインを調べたりすることなく、その場でアクセスを申請できます。ストア一覧からのアクセス申請も同様の手順で行えます。
ログ
加盟店から問題が報告された際には、アプリが実際に何を行ったかを把握する必要があります。「Logs(ログ)」機能は、アプリをインストールしたすべてのストアにわたる、すべてのAPIリクエスト、Webhook配信、アプリイベントを記録します。新しいログページはエラーにフラグを付け、検索・絞り込み機能によって調査対象の呼び出しのみに絞り込めるため、失敗した1件のWebhookを見つけるために、その日の全アプリ動作を読み返す必要がなくなったとしています。ログページは、早期アクセス時と比べて表示速度も大幅に向上しているとしています。
ログは30日間保持され、1回の絞り込みウィンドウで最大7日間をカバーできるため、より長い期間を確認する場合は数回のウィンドウに分けて確認します。例えば、ある加盟店でFunctionによる割引が適用されなくなった場合、そのショップのFunction実行に絞り込んで、失敗した実行を開くといった使い方ができるとしています。
今後追加予定の機能
Shopifyは、Dev Dashboardが日常業務をより速くし、アプリ管理ではなく加盟店の問題解決に多くの時間を使えるようにすることを目指しているとして、以下の機能を追加予定としています。
アプリ関連
- Everything in one place(すべてを1か所に): 配布管理、アプリ審査、リスティングや価格設定の作成など、アプリに関するすべての作業を1か所で完結できるようにする。
- App history(アプリ履歴): アプリのインストール、アンインストール、請求イベントの完全なログ。
- App access requests(アプリアクセス申請): Partner Dashboardに切り替えることなく、Dev Dashboardから保護されたスコープへのアクセスを申請できるようにする。
ストア関連
- Referral stores(紹介ストア): 既存のストア一覧と並べて紹介ストアを表示し、各紹介から発生する収益への直接的な導線を設ける。
組織関連
- Payouts and billing(支払いと請求): 収益状況の確認、支払い時期の把握、請求管理をDev Dashboardから直接行えるようにする。
Shopifyは、新しい体験を dev.shopify.com/dashboard で確認でき、詳細はドキュメントで、フィードバックはShopify Dev Communityで受け付けているとしています。