記事のサマリー(TL;DR)
- トランプ大統領が SpaceX IPO(株価 135ドル)の2週間後に最大 5万ドル相当の株式を取得
- 購入時の株価は 150ドル台半ば、直近は 135ドルまで下落し含み損の可能性
- SpaceX は主要インデックスへの組み込みルール変更をロビー活動で実現、多くの投資家が知らずに保有
トランプ・マスク関係と SpaceX の政府契約拡大が示す規制・投資リスク
SpaceX は 2026年に記録的な IPO を果たし、イーロン・マスクとトランプ大統領の緊密な関係を背景に政府契約を急拡大しています。ウォール・ストリート・ジャーナルの分析によれば、トランプ政権の規制緩和姿勢が SpaceX の事業拡大を後押ししており、官民の利益相反リスクへの視線が厳しくなっています。日本の機関投資家や年金基金においても、SpaceX が Schwab 1000 などの主要インデックスに組み込まれた以上、パッシブ運用を通じた間接保有が生じている可能性があります。また、政治的リスクや規制環境の変化が株価に直結するケースとして、リスク管理の事例としても注目されます。
詳細
トランプ大統領による SpaceX 株購入の経緯
ロイターが最初に報じた財務開示書によると、ドナルド・トランプ大統領は 2026年6月23日、イーロン・マスクが率いる SpaceX の株式を最大 5万ドル(約750万円)相当取得しました。この購入は、SpaceX の IPO(公開価格 135ドル)から約2週間後のことです。
購入時点での正確な取得価格は不明ですが、6月23日時点の SpaceX 株価は 150ドル台半ばで推移していました。IPO 直後に 200ドルを超えた株価はすでに高値から下落しており、その後さらに調整が進んで直近の終値は IPO 公開価格と同水準の 135ドルまで下がっています。これによりトランプ大統領の保有株は含み損となっている可能性があります。
株式管理は第三者機関に委託
ホワイトハウスのスポークスマン、デービス・イングル氏はロイターに対し、「大統領の株式ポートフォリオはサードパーティの金融機関が管理しており、シュワブ 1000(Schwab 1000)など認知されたインデックスを複製する形で運用されている」と説明しました。
つまり、トランプ大統領の SpaceX 株取得は、インデックス連動運用の結果として自動的に組み入れられた可能性が高く、大統領自身が個別銘柄として意図的に選択したわけではないとされています。
SpaceX によるインデックスへのロビー活動
SpaceX は IPO に先立ち、主要インデックスが新規上場銘柄を組み込むまでの待機期間を短縮するよう、インデックス提供会社にロビー活動を実施しました。このロビー活動が奏功した結果、SpaceX 株は通常より早期に主要インデックスへ組み込まれることになりました。
これにより、インデックスファンドや ETF を通じてパッシブ投資を行っている多くの個人・機関投資家が、自らの意思とは関係なく SpaceX 株を保有している状況が生まれています。
トランプとマスクの関係——一時的な対立を経て
トランプ大統領とイーロン・マスク氏の関係は総じて良好とされていますが、昨夏には一時的な対立が生じました。マスク氏が、司法省(Department of Justice)のジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)関連ファイルをトランプ大統領が公開しないのは、同ファイルにトランプ大統領の名前が頻繁に登場するためだと公に非難したことが発端です。その後、両者の関係は修復されたとみられています。
SpaceX の政府契約拡大
ウォール・ストリート・ジャーナルの最近の分析によると、SpaceX はトランプ政権下で政府契約を急速に拡大しており、規制緩和の恩恵を特に大きく受けている企業の一つとして位置づけられています。宇宙開発・防衛分野での存在感が増すにつれ、政権との関係の深さが同社の事業環境に与える影響についての議論も活発化しています。